top of page

あなたの隣の花子さん #02

執筆者の写真: Mu moule(ムール貝のムー)
Mu moule(ムール貝のムー)
2025年9月17日
読了時間: 4分

更新日:2025年11月24日

あなたの学校には、語り継がれる"奇妙な話"はありませんか?


学校にまつわる怪談、怖い噂。

一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

このコーナーでは、皆さんから集めた“不思議でちょっと怖い”お話を紹介していきます。


第02怪


横浜市 Iさんからの投稿


「子供たちが見ていたもの」


大学時代、サークルの合宿で泊まった旅館でのことです。

旅館といっても、3階建てのこじんまりとした宿で、学生の合宿や団体旅行に使われるような、実用的な造りでした。


合宿最終日の夜。

夕食後、疲れていたのかうたた寝してしまい、目が覚めると、みんなはすでに風呂を済ませて部屋でくつろいでいました。

「まだ入ってなかったのかよ?」と笑う仲間たちを背に、慌てて大浴場へ向かいます。

エレベーターまで距離があったため、近くの階段を使うことにしました。


階段を下り始めてすぐの踊り場で、小さな姉妹がキャッキャと遊んでいます。

小学校に上がる前くらいのお姉ちゃんと、幼稚園の年中さんくらいの妹。

その宿には二泊していましたが、家族連れは見かけなかったので、宿の子供たちだろうと思いました。

あまりに楽しそうだったので、「何してるの?」と声をかけると、妹が窓の外を指さして言いました。

「変な顔のおじさんがいるよ。」

僕は窓を見ましたが、そこには誰もいません。

続いてお姉ちゃんの方も、「おじさんがね、変な顔でこっち見てる」と笑いながら、両手でほっぺをぐいっと押し広げ、口をすぼめて変な顔を作って僕に見せてきます。

妹はそれを見てケラケラと笑い、お姉ちゃんもつられてキャッキャと笑っています。

でも、僕は笑えませんでした。

ここは二階と三階の間の踊り場。

窓の外には、人が立てるような場所はありません。

念のため、外の木にも目を凝らしましたが、やはり誰もいません。

それでも姉妹は笑い続け、「さっきまでいたのに」と言います。

子供の冗談にしては妙に生々しく、怖くなって急いで風呂へ向かいました。


そんなに遅い時間ではなかったのに、大浴場には誰もいません。

一人きりというのは、思った以上に心細く感じるものです。

髪を洗っていると、背後で「カラカラ」とガラス戸が開く音がしました。

誰か来たのかと思い、シャンプーの泡を流して振り返りましたが、そこには誰もいません。

湯船に浸かる気にもなれず、急いで風呂を出ると、入るときには乾いていたはずの床がびしょびしょに濡れていました。

いよいよ怖くなって、スウェットのズボンを履き、ほぼ上裸のまま荷物を抱えて階段を駆け上がりました。

戻る途中、さっきの姉妹の姿はもう見えませんでした。

その夜は、目をつむって必死に眠ろうとしましたが、なかなか寝つけなかったのを覚えています。


余談ですが、チェックアウトの際、女将さんに何気なく「お子さんたち、かわいいですね」と言ったら、 「うち、子供はいませんよ」と静かに返されました。

それ以降の会話はなぜか記憶にありません。

帰りの車内でふと、あのときの女将さんのいぶかしげな表情が脳裏に浮かび、 窓の外の景色がじわじわとモノクロのように色を失っていったような気がしたことを覚えています。


あの姉妹は、どこから来たのか。

(三階の窓の外にいた“おじさん”も含めて、ただの宿泊客だった可能性もありますが…)

今でも、あの旅館の階段を思い出すと、首元がひやりとします。


いかがでしたでしょうか?


無邪気な笑いの奥に潜む、見えない何かの気配。 あの姉妹が見ていたものは、果たして幻だったのか、それとも——。

次に階段を下りるとき、あなたもふと窓の外に目を向けてしまうかもしれません。


このコーナーでは、皆さんから寄せられた怖い話・不思議な体験を紹介していきます。

「信じてもらえるかわからないけれど…」そんな些細な出来事でも大歓迎。

編集部まで、あなたのお話をお寄せください。


記憶の片隅に残る不気味な瞬間や奇妙な感覚。

次に誰かの背筋をぞくりとさせるのはあなたのお話かもしれません。

コメント


bottom of page