あなたの隣の花子さん #01

更新日:2025年11月24日
あなたの学校には、語り継がれる"奇妙な話"はありませんか?
学校にまつわる怪談、怖い噂。
一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
このコーナーでは、皆さんから集めた“不思議でちょっと怖い”お話を紹介していきます。
第01怪
福岡市在住・Mさんから寄せられた投稿
『東棟の幽霊』
もうずいぶん昔の出来事です。私が通っていたK高校には「東棟の奥に男の幽霊がうろうろしてる」という噂がありました。うろうろってなんだよ?って感じですが、誰が言い出したのか、いつから始まった話なのか定かではありませんが、まことしやかに語り継がれている(らしい)幽霊話を入学後すぐクラスメイトに教えてもらいました。
美術部に所属していた私は、放課後になると東棟の端にある部室で毎日絵を描いていました。いつもはかしましく、お菓子を食べたりおしゃべりしたり、のんびりした部活でしたが、文化祭と展覧会を目前に控え、部員たちは黙々と静かに筆を走らせていました。
シュッシュと鉛筆を走らせる音、カチャカチャと筆をすすぐ音。しんとした美術室には絵を描く音だけが静かに響いてました。時計が5時半を回った頃だったでしょうか。突然、室内に低くてちょっとおどけたような男の人の声が響きました。
「おーい」
反射的に声の方を見た私は、すぐに周囲の空気が変わったのを感じました。他の部員も同時に顔を上げ、声のした方向を見ていました。けれど、そこには誰もいないのです。そして、しばらくの静寂ののち、いっせいに悲鳴が上がりました。
みんな気づいてしまったのです。その日の美術室には女子しかいなかったことを。
声を聞いたのも私一人ではありません。その場にいた全員が確かに男の声を耳にしていました。当時は今のようにスマホもなく動画を流していたということもないですし、皆の慌てようからも録音した声をいたずらで流したということもなかったと思います。
気味が悪くなった私たちは、誰ともなく「もう今日は終わりにしよう」と早々に切り上げ足早に美術室を後にしました。校門を出て夕焼けの空を見たときの、あの奇妙な安堵感は今でもよく覚えています。
声を聞いた後に誰かが事故に遭った──なんてこともなく、その後、私自身は霊の姿を見ることもなければ、再び声を聞くこともありませんでした。
けれど、「誰もいるはずのない美術準備室から物音が聞こえた。」「誰もいないのに名前を呼ばれた。」「物置を通る足が見えたのに中には誰も入ってなかった。」など、ちょっとした怪奇現象の噂があとを絶ちませんでした。
そんな噂も文化祭が終わると共に収束していき、学期が変わると誰も東棟の幽霊の話なんてしなくなっていました。
もう卒業して久しいですが、母校の制服を着た子達を見かけると東棟の幽霊の話が残っているのか聞いてみたくなる自分がいます。
そして思うのです。
あの日、私たちが聞いた「おーい」という声は、今も誰かを呼んでいるのではないかと。
いかがでしたでしょうか?
なぜ彼はそこにいるのか──姿を見たら何が起きるのか──いったい誰を呼んでいるのか──すべてが謎のまま噂は残り、その理由や意味を解き明かせないがゆえの得体の知れなさが、怪異の怖さをよりリアルにしているのかもしれません。
このコーナーでは、皆さんから寄せられた怖い話・不思議な体験を紹介していきます。
「信じてもらえるかわからないけれど…」そんな些細な出来事でも大歓迎。
編集部まであなたのお話をお寄せください。
記憶の片隅に残る不気味な瞬間や奇妙な感覚。
次に誰かの背筋をぞくりとさせるのはあなたのお話かもしれません。

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