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あなたの隣の花子さん #03

執筆者の写真: Mu moule(ムール貝のムー)
Mu moule(ムール貝のムー)
2025年10月20日
読了時間: 2分

更新日:2025年11月24日

あなたの周りには、語り継がれる"奇妙な話"はありませんか?


このコーナーでは、皆さんから集めた“不思議でちょっと怖い”お話を紹介していきます。



第03怪


鹿児島県のSさんからの投稿


「ゆうちゃん」


随分前に亡くなった祖父から聞いた、不思議な話があります。


まだ太平洋戦争が始まる前のこと。

祖父の家の近くに、ゆうちゃんという青年が住んでいたそうです。

ゆうちゃんは祖父より年上で、幼い頃から体が弱く、よく寝込んでいたといいます。

祖父はゆうちゃんをとても慕っており、よく彼の家に遊びに行っていました。


祖父が旧制中学に進学した頃、ゆうちゃんは「亡国病」にかかってしまいます。

結核です。

今でも恐ろしい病ですが、当時は治療法もなく不治の病と恐れられていました。


感染を恐れた周囲の人々は、ゆうちゃんの家に近づかなくなりました。

それでも祖父は、周囲の制止をものともせず、変わらず彼のもとを訪ねていたそうです。(祖父は負けん気が強く、「やるな」と言われると、逆に意地でもやり遂げるタイプ)


ゆうちゃんは寝たきりの生活だったので、祖父が学校や町で見聞きした話を、いつも楽しそうに聞いてくれたといいます。


ある深夜のこと。祖父は自室で勉強に没頭していました。

(テストでも一番を取らないと気が済まないタイプ)

ふと、窓の外がぱっと明るくなったかと思うと、「バチン!」という音とともに、火の玉のようなものが窓にぶつかり、そのまま遠くの山の方へ飛んでいったのだとか。


その瞬間、祖父は「ゆうちゃんが死んだ」と直感したと言っていました。

しばらくして、祖父の母が近所の人からの知らせを持って部屋に入ってきました。

「ゆうちゃんが亡くなった」と——。


この話を聞いたとき、私はまだ小学生でしたが、火の玉の怖さは全く感じませんでした。

病に伏せながらも外の世界に耳を傾けていたゆうちゃんと、そんな彼のもとへ通い続けた祖父。

二人の絆が切なくて、30年以上たった今でもずっと胸に残っています。



今回は「怖い」というよりも、物悲しいお話でしたね。 Sさんのおじい様の美しい記憶の断片を見せてもらったような気持ちになりました。


このコーナーでは、皆さんから寄せられた怖い話・不思議な体験を紹介していきます。


「信じてもらえるかわからないけれど…」そんな些細な出来事でも大歓迎。


編集部まで、あなたのお話をお寄せください。


記憶の片隅に残る不気味な瞬間や奇妙な感覚。


次に誰かの背筋をぞくりとさせるのはあなたのお話かもしれません。



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