ビールとバックパック #05

5本目:オーガニックな食器用洗剤(オーベルンブルグ、ドイツ)
ドイツでは、街を彩るクリスマスの飾り付けを手伝うボランティアに参加した。
その街の名前は、Obernburg am Main──オーベルンブルグ・アム・マイン──
発音が合っているかは、気にしないでほしい。
石畳の路地、木組みの家、伝統的な街並み。
ローマ軍の基地が由来のマイン川沿いの街。
基地を囲っていた城壁もところどころその面影を残すのみとなっている。

参加したボランティアの内容は、クリスマスの飾り付けを手伝うというもので、11月冬の冷たい空気の中、路地の建物と建物の間に張られたロープにクリスマスのオーナメントをつけたり、ライトを吊るしたり。公園の落ち葉を集めて処分したり。街をきれいに、そして飾り付けていった。
ボランティアの参加者は、地元ドイツをはじめ、お隣のフランス、デンマーク、イタリア、カナダ、タイ、エジプト、そして自分のほかにもうひとり日本からとバラエティに富んで、なかなか国際色豊かだった。
お手伝いをされる側は、公務員?だったか記憶があやふやだが、普段は街をきれいにしたり、公園の手入れをしたりする方々だった。トルコから移民してきて、もうトルコ語を忘れてしまったトルコ人。イタリアから移民してきた人など、いろんな人たちがいた。
お手伝いの最終日には、大きなテーブルを囲んで、パーティ。
程よく冷えた赤ワインと湯気が立ちのぼる暖かいソーセージ、パンをごちそうになった。
そうそう、食事はボランティアの参加者みんなで手分けして作っていた。
なにを作ったかもうよく覚えていないが、参加者のひとりのタイ人は、職業がたしか料理人だったと思う。ナイフを扱う手つきが違ってた。
びっくりしたのだが、食後片づけるときに、このボランティアに参加していたドイツ人とカナダ人は、食器を洗う洗剤をすすがない(洗い流さない)のだ──確かに洗剤の容器には、すすがなくても大丈夫!この洗剤は安全!みたいなことが書いてあったと思う、たぶん・・・ドイツ語で──。
洗剤の泡がついた食器をそのまま、「It’s O.K. No problem!」と言って、シンクの横のラックに直行させ、自然乾燥させる。
カルチャーショック!
自分ともうひとりの日本人参加者は、「え、泡ごと乾燥?」と戸惑い。いくら大丈夫と言われても感覚的にはちょっとひっかかりつつ、「そんなものか」、と流されていた。
が、ボランティア参加者のひとりイタリア人にとっては、完全にアウトだったらしく、2週間ほどあったボランティア期間の中で、2~3日もすると勝手に自分の分だけ別に食事を作り始めた。
めちゃめちゃ、うまそうだった。ひと皿の本場こだわりイタリアン(イメージ)。

そして食べ終わり、食器を洗うときも、きれいにすすぎ、洗剤を丁寧にかつ完全に洗い流していた。
イタリア人の食へのこだわり、そして厳しさはホンモノだ、と感じた瞬間だった。
──もちろん、ただの一口も分けてもらえなかった──

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