top of page

ビールとバックパック #01

執筆者の写真: 麦のヒト
麦のヒト
2025年8月14日
読了時間: 3分

更新日:2025年11月24日

1杯目 エフェスビール(トルコ)


世界遺産・古代ローマの都市『エフェソス』が名前の由来のビール

すっきりした味わいのピルスナー


エフェスビール
エフェスビール

公園作ったことありますか?

自分はあります。トルコで。


随分前の話。デジカメはまだ画素数が30万で。

バックパックひとつ、サンダル履きで単身トルコに飛んだ。


観光するだけじゃ、サーッと通り過ぎるだけで物足りない気がして、ボランティアみたいなものに参加してみた。


8月。小さな島に集められた。

(島と言っても道路で陸地と繋がっていて江の島みたいな感じ)


バスに乗って出勤よろしく公園を作りに通っていた。

公園を作ると言っても、やっていることには朝から晩まで石拾い。

拾った石を一輪車に乗せ、せっせと端へ運ぶ。


石畳を敷いたり、樹木を植えたりもしたかったけれど、そういう花形の仕事は職人さんたちの領分。四角いブロックを石畳の石に当てて コンコン と叩くあのハンマー。

あこがれるが、自分の役目は、石拾い。

真夏のギラギラした太陽のしたで、ひとつ、またひとつ、と石くれを集めていく。


とこれだけ聞くと、がっつりとした労働に思えるかもしれないが、実際はそうでもなくて。

半分くらいは、海とか島とか遺跡とか遠足に連れて行ってもらったりしていた。

そのあたりの話は、またの機会にするとして。


あっつい中、一日石ころを拾った後、宿舎に戻ってからのエフェスビールはうまかった。


ごほうびビール。

むかーし昔、エジプトでピラミッドを作ってる時、あのバカでかい石を運んでた人たちは、仕事のあとにパンとビールをもらっていた、という気持ちを少しだけ味わえる気がした。


エアコンも扇風機も無い宿舎の冷蔵庫から、ほどよく冷えた1本を取り出して、王冠をひねる。

栓抜きは要らない。

プシュッと音がしてサーッと瓶の底から泡が立ってくる。

そのまま喉に流し込む。

トルコのカラッとした暑さにすっきりとした味わいがよく合っていた。

(トルコはイスラム教の国で、イスラム教ではお酒を飲んではダメって言われてるけど、そんなつっこみをここでしてはいけない)


乾燥したトルコの丘、夏の昼間の日差しの中、公園作りの合間に、他のボランティアメンバーが冷水機の水をごくごく飲むのを見ていた。

カラカラに喉が渇いていても、そのひんやり冷たい水を皆が飲むのを自分はただ見ていた。


お腹壊すから。


労働の疲れを、ひととき癒してくれる休憩時間の冷水機の水。

でも、あの冷水機の水は浄水じゃなくて、ただただ水道水を冷やしただけのものだった。

きれいな白い冷水機。

良い感じに公園事務所内の片隅に置かれていて、まんまとだまされた。


そうは言っても20人程いたボランティア参加者の中で、その水でお腹を壊していたのは自分と華奢なフランス人の女の子の二人だけ。


自分のお腹はマドモアゼル並に壊れやすく繊細だったのだ。

そんなわけで、日中ほぼほぼ水分を取れずにいた。ちょっとした修行、苦行。


その結果、水の代わりにエフェスビールを飲む免罪符も手に入れた。

コメント


bottom of page