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ビールとバックパック #04

執筆者の写真: 麦のヒト
麦のヒト
2025年11月22日
読了時間: 3分

更新日:2025年11月24日

4本目:プラハハムとクネドリーキ(プラハ、チェコ)


旧市街広場
旧市街広場

チェコの首都プラハ、中世の街並みがそのまま残る旧市街広場。

石畳が延び、周囲をゴシックとバロックの建物が囲む。旧市庁舎の天文時計が時を刻み、ヤン・フス像を中心に広場がひらける。冬になるとその旧市街広場、旧市庁舎の前にクリスマスマーケットが現れる。クリスマスマーケットでは、おしゃれなクリスマス飾りとか工芸品、ワインとか売られている。幅が2-3mくらいの小さな小屋のような出店が連なる。店のファサード(正面)は色とりどりでカラフルなのだが、冬のヨーロッパの灰色の空のせいか少しくすんで見える。これが夜になりライトアップされると、屋台ごと光の輪郭で縁取られて一気にキラキラに。


ひと昔前は、ヤン・フス像の向こう側に仮設のスケートリンクもあったが、近年はやっていないらしい。売られている飲み物は、定番のホットワイン──グリューワインとも呼ぶ──やホットチョコレート。蜂蜜のお酒「メドヴィナー」を知らなくて飲みそびれたのは、かなり後悔している。──冬は温めたものを飲むらしい──


メドヴィナー
メドヴィナー

ふと見ると、おいしそうなハムのカタマリがまわっている、あぶられている。トルコのドネルケバブが縦になっててクルクル横回転なら、チェコのハムは横になってて気が向いたときに縦回転、加えて焚火で炙り焼き。注文すると店の人がナイフを手に持ち、その場でハムのブロックから厚めにスライスしてくれる。そして、紙皿に同じく厚めにスライスされたパンと、マスタードも添えて手渡される。一口ほおばるごとに、温かいハムの香りがじわっと口の中に広がる。氷点下に近い寒さのなか食べるあったかい食べ物。ホッとする。吐く息もさらに白くなる気がする。なーんて、その時はなんにも知らずに食べてた。あれが「プラハハム」で、このパンが「クネドリーキ」で、と知ったのはだいぶ後になってから。


名物「プラハハム」。豚のもも肉を塩漬けにして、ブナ材の燻煙でじわじわ火を入れているので脂が透き通って甘い。表面は飴色に焼け、削ぎ取るたびに肉汁があふれ出す──はちょっと大げさな表現かもしれない。このパンは、「クネドリーキ」で、蒸したパン生地が指で押すとゆっくり戻るほどもっちりしていて、肉汁をたっぷり吸う。もっちもちの蒸しパンとハムを交互にかじると、甘い小麦の香りと燻製の香りが混じり合う。シンプルかつ最高の組み合わせのひとつだ。


ここまで読んでもらって申し訳ないのだが、今回なんにもトラブルがなく、これといって面白いこともなく、さらには寒いのでビールの話題もなく。ただただ美味しいハムにつられただけになってしまった。まあ、クリスマスにサンタさんからトラブルをプレゼントされないように、良い子でいたかいがあった。と、いう事に今はしておきたい。



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