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ビールとバックパック #03

執筆者の写真: 麦のヒト
麦のヒト
2025年10月20日
読了時間: 4分

更新日:2025年11月24日

3本目:レフ・ブラウン(ブリュッセル/ベルギー)


街を爆弾から救ったのに、まさかの姿で銅像化されてしまった英雄、しょうべん小僧。

ベルギーの首都ブリュッセル。観光名所と言われて真っ先に思いつくのが、かのしょうべん小僧である。しょうべん小僧のほかの観光名所は・・・・・すぐには思い出せない。



食べ物なら、やっぱりワッフル。

ブリュッセル中央駅から歩いて10分くらいのところだったと思う。

きれいなユースホステルがあって、そのユースホステルに寝泊まりして周辺を観光していた。

ゴージャスなブリュッセル市庁舎のあるグランプラス(広場)まで、そのユースホステルから、ちょこちょこ歩いて行っていた。近かった。


今もあるかどうか分からないけど、グランプラスには小さなワッフル屋さんがあって、リエージュワッフルをテイクアウトできた。

ワッフルには、おおまかに言ってリエージュワッフルとブリュッセルワッフルの2種類があり、普段日本で見るような、表面をオーブンでちょっと焼いてカリッとしあげたワッフルが、リエージュワッフル。


パンケーキみたいに、表面がふかふか柔らかくて生クリームとかチョコレートとかをかけて食べるのがブリュッセルワッフルだ。──ベルギーに行って、初めて知った。ベルギー人に教えてもらった──柔らかいブリュッセルワッフルは、ナイフとフォークで食べる。


ついついナイフについたおいしいベルギーチョコレートをペロッとなめると、


「バァッド マナー!」


マナーが悪いと注意される。お上品な食べ物である。



話をグランプラス(広場)に戻そう。

広場の北側にはスーパーマーケットがあった。ブリュッセル滞在中、毎日ビスケットだの飲み物だの買いに通っていた。ちゃんとビールもおいてあった。


九州より少し小さいサイズの国ベルギー。グーグルさんによると、そのサイズの中に100を超えるビール醸造所があり、作られているビールの種類は1000種類を超えるとのこと。──なんか、昔より減ってる気もするが──その中でも有名なビールのひとつが「レフ・ブラウン」。ダークブラウン色のビールで、香ばしくて、甘い香りが特徴。修道院で作られていたアビイビール。レフ修道院では13世紀にはもう、ビールを作っていたらしい。


もちろん、「レフ・ブラウン」は、日本でもチェーン店の酒屋とかそのへんで普通に買える。当時は330mmのボトルが1本で600円くらいしていたと思う。それが、なんと6本セットで6ユーロを切る価格。まだユーロは今ほど高くもなく、日本だとボトル1本分のお値段で、ベルギーでは6本も買えたのだ。日本の発泡酒の先駆けサントリーマグナムドライよりも安かった。


スーパーマーケットの隣は職業安定所だった──今は、もうないみたいだが──。その入り口からスーパーの前まで列をなしている求職中であろう方々を横目に、毎日毎日ビールを何本も買って帰る社会的には無職の自分。明日は、わが身。でも、これは飲むしかない。


いそいそとビールの入ったスーパーの袋を片手に下げて、上り坂を歩き、ホステルにビールを持ち帰る。ホステルの部屋で、さっそくボトルの王冠を覆っているアルミをぺりぺりと剝いでいく。姿を現した王冠をひねる。ボトルのボトムを持ち上げ、くいっと一口。

ホステルには冷蔵庫はないが、そもそもベルギービールはキンキンに冷やさない。日本だとぬるめな温度のをちびちびといくのだ。


そして、日本のピルスナーと違い、つまみもいらない。というか、レフ・ブラウンは甘めのビールなので、塩気のあるつまみだと味がけんかして相性が悪いし、かといって甘いものを一緒に、となると、くどすぎる。ちょうどいい食べ合わせ、組み合わせを、いまだ見つけられずにいる。


──どなたか、いい組み合わせを知っていたら、ぜひ教えてほしい──


そんなわけでレフ・ブラウンを飲むときは、たいがい、飲むことに全集中してしまう。思う存分「レフ・ブラン」を味わったブリュッセル。当初の旅のプランには無かった寄り道だったけど、バスを乗り継ぎはるばるドイツから来たかいがあった。


そういえば、ブリュッセルの観光名所の話が中途半端なままだった。個人的には、冬の灰色の空の下で見るアトミウム。未来を感じさせる無機質な外観に周りの景色が映り込む。


ひとりで行くと、より寂しさが増すので良い。(おすすめとは言っていない)

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