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たびびとしらず #07

執筆者の写真: 西館 在
西館 在
6月3日
読了時間: 6分

島好き在さんの旅の記憶


第7回『久しぶりに石垣島行きのチケットを購入した』


久しぶりに石垣島行きのチケットを購入した。


生活のすべてをマイルに変換していると言っても過言ではない。

携帯電話はもちろん、電気・ガスといったインフラ、日々の買い物まで航空会社のクレジットカードで決済し、コツコツと貯めてきた。

それなのに、そうして貯めたマイルが消化されないまま失効期限を迎えようとしていたのが先月下旬。さらに、そこから毎月1,000マイルずつ順次失効していくという予定表を見て、慌てて特典航空券を探したものの、行き当たりばったりで連休の空席があるはずもない。

電子マネーに交換するか、何かの商品にするか。


交換するなら特典航空券が一番お得。

それは分かっているから、できることなら航空券に交換したい。でも、7月の連休も9月の連休も10月の連休も、どこも空いていない。ましてやお盆なんて、1〜2日ずらしたところでどうにもならない。

じゃあ電子マネー? うーん、レートが航空券ほどお得じゃない……。

そんなこんなで迷っているうちに月末が迫り、いよいよ今日明日中に何かに交換しないと、一番もったいない消え方をしてしまう。


迷いに迷った挙句、50,000マイルを航空会社のコインに交換することにした。

取りあえず10,000マイルだけ交換すれば当面はしのげる。

でもそれだと10,000マイル=12,000コインの1.2倍レート。20,000マイルなら26,000コインの1.3倍レート。実は1年ほど前にも同じように期限切れ直前で20,000マイルを26,000コインに交換し、そのコインは先月、北海道行きのチケット購入に使い切った。

今回のマイル消化も、どうせ交換するなら一番レートの良いマイル数にしよう。

その結果が、1.6倍レートの50,000マイル=80,000コイン。

80,000コインは8万円分の支払いに充当できる。そして秋口の石垣島への往復が82,000円程度だったので購入した。 ……というのが今回チケット購入の経緯。


さて、久しぶりの石垣島。コロナ禍のマイル修行で訪れたことはあったが、空港の外どころか保安ゲートの外にすら出ないとんぼ返りだった。その前に行ったときはフリー時間ほぼ無しのツアーで、思い通りに動けなかった。だから今回の石垣行きは、新空港になってから初めてと言っても過言ではないくらい久しぶりだ。


チケットは無事に取れた。次に決めるのは、その先のどの島に行くか。石垣島の醍醐味は、桟橋から船に乗って向かう二次離島。お気に入りの竹富島は八重山の中で一番訪れているので、今回は違う島にしたい。

そういえば、以前勤めていた会社を辞めたとき、有休消化で八重山を半月ほど放浪した。そのとき、飛行機の到着遅れで波照間島行きの最終便に乗れなかったことを思い出した。あの時も結局、まだ便があった竹富島の定宿に電話して急遽宿泊先を確保した。


「久しぶりに波照間島に行くか。空港が港から遠くなったとはいえ、預け荷物もないし、1時間余裕があれば多少遅れても15時の最終便に間に合うでしょ。」

ということで最終目的地を波照間島にフォーカス。

日本有人最南端の島。南十字星が見える島。

15年……いや20年ぶりくらいだろうか。前回訪島したときは、バックパッカーの間で伝説となっていた民宿「たましろ」に宿泊した。波照間に行ったら絶対ここに泊まると決めていた。夕飯は育ち盛りの高校生も唸るボリューム、部屋のボロさもピカイチという、己の限界に挑戦するような宿だった。そういう宿を良しとして集まる人たちは懐が深い(個人的感想)。おかげで初めての宿にも関わらず、同宿者の旅人とずっと笑い合っていた。


あれから20年。今回も「たましろ」に泊まるか? それとも年を重ねた分だけ、もう少し落ち着いた宿にするか? 他にはどんな宿があるのかと検索してみると、「たましろ」がご主人の逝去に伴い閉業していることが判明した。

20年という月日を目の当たりにした感覚。

前回訪れたのは2月だったにも関わらず、宿のみんなとワイワイ言いながら海に入った。半袖で島中を自転車で駆け回った。途中でサドルは抜け、チェーンは外れ、ボロい自転車だったけれど、笑いながら押して宿まで戻った。時間の流れはゆっくりで、本州より日没が遅く、本当にパラダイスにいるような感覚だった。そんなはずないのに、何十年も変わらないと勝手に思っていた。だから、また波照間に行けば「たましろ」は当然存続していると疑わなかった。だって伝説の宿だから。

そうか、閉業か……。

20年も疎かにしていたことを悔やんでも悔やみきれないが、他の宿を探すかと調べているうちに、20年前は運航していた八重山観光の船が今は波照間島に就航していないことも分かった。あの頃は八重山観光か安栄観光の2社のみで、「どっちの船で来たの? 帰るの?」が旅行者同士の挨拶だった。それがヤエカン(八重山観光)が撤退していたなんて。20年……。


さらにチャッピーが言うには、私が信じて疑わなかった15時石垣発の最終便は秋だと時間が繰り上がっているという。「その時間に空港に着いても最終の波照間行に乗ることは実質不可能です」と言われ、すっかり波照間島行きモードになっていた私の気概はしおしおに萎んだ。行き先の島選びからやり直さねばならない。


チャッピー曰く、石垣島に着いたその日のうちに間に合う船は小浜島・黒島・竹富島の三島。竹富島は好きな島で定宿もあるけれど、今回は候補外。となると小浜島か黒島。どちらも訪れたことはあるが、黒島は日帰りのみで宿泊したことはなかった。竹富の宿で一緒になった旅行客の何人からも「黒島は良い」と聞いていた。黒島かなぁ……。それとも、いっそのこと石垣空港から飛行機を乗り継いで与那国島? 与那国島も日帰りでしか行ったことがないので宿泊もありだ。日本最西端で夕日が沈むのを見るのも悪くない。


今回の旅は3泊4日。10月末なので多分大丈夫だと思うが、台風シーズンが長引けば最悪飛行機が欠航する可能性がある。それを考えると、最終日の前日は石垣島に泊まっておくのが無難だった。そして目的地の島では日の出から日没まで島に浸るために2泊するというのがマイルール。なので、着いた初日を石垣島泊にして2・3泊目を目的の島にするのは、先述の「最終日前日は石垣島」に当てはまらないので却下。


与那国島、与那国島。与那国となると船ではなく飛行機乗り継ぎだ。与那国に2泊して3日目に石垣に戻り、石垣で1泊して最終日に空港へ。なんかずっと空港を通ってない? それなら与那国島で3泊して、与那国から石垣空港に着いたらそのまま帰路の飛行機に乗り継いだ方がスムーズじゃない? 万一台風になったら与那国だと石垣ではなく那覇に送られる可能性もゼロではないし。でも与那国島もそこそこ大きい島。レンタカーが必要だな……。車に乗ると自転車みたいに気軽に止まれない。しかし大きいゆえに見どころも多く、周回しているだけでも面白い。

……。 ……。 迷う。非常に迷う。

浅田真央ちゃんじゃないが、黒島と与那国島の気持ちはハーフ&ハーフ。

さて、どちらの島にするか。 そして波照間島、本当に絶対に間に合わない?


西館 在 (にしだて ある)

旅とオールドミニクーパをこよなく愛するフーテン。気に入ったものを長く使い続けるのが好きで愛車は現在26年目。家で寛ぐことが好きなのに家にいるのはほぼ睡眠時間という矛盾を抱えて生きています。

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